この星 林原めぐみ 著
 ●A5変型版(たて170×よこ147mm)
 ●上製 112頁 ●定価:本体1,200円+税
 
全国書店にて大好評発売中!

★あとがき★
 きっかけはNHKの「トップランナー」という番組に出演したことでした。
 事務所へアポが入り、代々木公園の静かな喫茶店にてシングルカット社の鳥居昭彦氏と初対面。
 「私的には、林原さんのトークの中に、とても印象的な言葉がありまして、そんな言葉たちをつかって、美しい本をつくりたいと思いまして」なにか確信めいた確固たる瞳。「はあ……それは……ありがとうございます。……で……私はなにをすれば……」「林原さんの書きたいものを、ぜひ、自由に……」「は……はぁ……」穏やかに、静かに、情熱を含み微笑まれつつも、当の本人はあまりに漠然とした申し出に、「美しい本」というイメージだけを心に刻み、あっという間に1年が過ぎた。(ははは)
 1年後「そろそろ本のお話を……」またまた静かな喫茶店で、いままでかかわってきたと思われるとても立派な本たちを手に、本の大きさや、形、デザインなどの話をすすめられた。「……で……私は、なにを書けば……」「はい、林原さんの書きたいと思われることを自由に……」「は……はぁ……」おおよそ私の日ごろの活動とはかけ離れた立派な本たちに圧倒されながらもまたまた1年が過ぎた。(はははは)
 「美しい本」というキーワードだけが宙に浮いたまま、気がつけば3年ほどたっていた(いいのか本当に)。旅へいくたび写真を撮りため、いつの日かできるであろう「美しい本」は、私の心の奥の奥で形になる日を静かに待った。しかし、待っていても本はできない。ある日ふっと思いたち(このふっとというのが結構大事)パソコンへ向かい、この4編を形にした。それはフィクションだったり、ノンフィクションだったり、夢だったり、過去にも書いたことのリメイクだったり……。私が私として生きているうえで、どこかしら支えであり、基盤であり、みちしるべのような言葉、空気、感覚をつづった。その言葉は、デザイナーのおおうち・おさむ氏や、英訳のジョン・タムラ氏、KTC中央出版の伊澤宏樹氏、さまざまな人に愛され「美しい本」へとまたたく間に姿を変えていく。それぞれのプロっぷりにただただ感動し驚いたと同時に、できることが違う人が集まることのありがたさを痛感した。
 学生のころの文化祭。ポスターを書く人、先生から許可をもらいにいく人、意見を述べる人、まとめる人、チラシを刷る人配る人。じつに、社会はその延長上にあるのだ。
 人は10歳でも悩み、つまずく。50歳でも悩み、つまずく。どちらが軽い、重いではなく、それぞれの立場でそれぞれの重さで迷う。願わくば、この空間が、ほんの小さな安らぎになることを願って……。
 3年もの間、ただただ待ってくださった出版社様に心より感謝いたします。

2002年3月   林原めぐみ
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